目的に応じた最適なプロモーションメディアの選び方について

ハードコア音楽のマーケティングについてを書いてから色々質問を頂いたのですが、その中でも
「自分もYou Tubeを使ったプロモーションにトライしてみたいんだけど、どうしたらいいの?」って話を何人かに貰いました。


もちろん私で出来ることであれば喜んでサポートしますが、その前に少し知って頂きたいことがあるので、
今回「目的に応じた最適なプロモーションメディアの選び方」をテーマに新しく記事を書きました。


-「目的に応じた最適なプロモーションメディアの選び方」
少し固い言葉で書きましたが、要は
プロモーションで何を得たいかによって、You Tube, Twitter, Facebookは使い分けた方がいいよ!
ってことを各メディアで何ができるかを説明しながら書きます。


-You Tube
【出来ること】
・動画をユーザーに強制的に視聴させる
インストリームとインディスプレイという表示パターンに分かれます

※インストリーム
普通に視聴していると、見たい動画の前に流れる煩わしいアレですね(笑)

※インディスプレイ
あまり意識しないかもしれませんが、動画検索した時に上に出てくる広告です。

ちなみに前回の記事で実践した際には、
インストリーム:3,620回表示で1,021回の視聴
インディスプレイ:15,846回表示で97回の視聴
だったので、恐らく肌感覚の通りかと思いますが、インストリームからの流入が殆どです。
もちろん広告設定する際にどちらかに絞ることもできます。


【費用】
・概ね1視聴につき7円〜10円程度
目標視聴人数を予算から作成する時の参考にどうぞ。ちなみに一人に何回まで見せるかも設定できます。
1回だけ見せると印象に残らないと思いますが、何回も見せすぎると逆に嫌悪感を持たれてしまうので要注意。


【長所】
・検索ワードを使ったターゲッティングで狙った人に視聴させることができる
→前回の記事では、「Have Heart」と検索した海外の人にFOR LIFEのライブ動画を見てもらいました。
You Tubeに滞在し、バンド名で検索している時点で音楽に対する寛容性が高く、広告も好意的に受け入れられ易い
Google Adwordsのアカウントを開設すればすぐにプロモーションを実施できる
・15秒以上視聴しなければ支払いが発生しない
Googleアナリティクスという優れた分析機能とリンクしており、効果検証が簡単
・動画にアノテーションを加えることで、itunes等へ誘導し音源の購入にも繋げられる
アノテーションとは動画上に載っているリンク付きの吹き出しです


【注意点】
あくまでも動画を使用した広告なので、目的が「xxを聴いている人に自分のバンドも聴いて欲しい」といったバンド名の認知拡大などには効果を発揮しますが、
「ライブに来てくれる人を増やしたい」といった、動画を見るという行動から距離があることを目的にしている場合はオススメしません。



-Facebook
【出来ること】
・ページへのいいね!を集める
日本のバンドでFacebookを重用しているバンドは少ない気がしますが、
海外のバンドはツアー情報やマーチに音源など、通常のホームページの機能をそこに集約させているバンドも多くいますね。
例えばComeback KidのページではBandpageなるタブが設けられ、そこで音源試聴やマーチ購入ができます。



"基本的"にはFacebookに投稿される情報はいいね!した人に表示されるので、
まずはいいね!をしてもらうことで、情報を発信する土台を獲得するわけですね。


・ページからの投稿を広告として狙った人に閲覧させる
いいね!してくれている人には、"基本的"に投稿した情報は配信されますが、
投稿自体を広告にすることによっていいね!していない人にも情報を発信することができます。

余談ですが、Facebookには自動フィルターのような機能が搭載されているので、自分に興味が近いと思われる投稿や広告が選ばれて表示されています。
よって、例えば個人アカウントでも、自分がよくいいね!したりしている人の投稿がタイムラインに表示され、疎遠な人の活動はタイムラインに出てくることはありません。
上で"基本的"と書いたのも、たとえ過去にいいね!していても、その後あまりページの投稿に反応していなければ、表示されなくなってしまうケースもあるのです。


【費用】
・こちらも概ね10円前後です。
先日FOR LIFEのページで少し実験した時には、いいね!1件9円でした。


【長所】
・広告作成のヘルプが非常に丁寧で、You Tubeより更に簡単に広告が出せる
・広告の効果をほぼリアルタイムで確認でき、都度ターゲットの微修正などの小回りが効く
You Tubeは広告効果の確認は1日1回更新です。
・いいね!を押す等のアクションが発生しなければ費用は発生しない
Googleアナリティクスまでではないが、結果の分析データも確認できる


【注意点】
広告から自身の動画や視聴サイトに誘導するためにはどうしても1クリックの動作が必要です。
これだけ情報が氾濫するネット上に於いては、ワンクリックは大きなハードルです。
よって、自分のバンドの認知を広げるという手段においては、You Tubeをオススメします
しかしながら、Facebookは一種のファンコミュニティサイトのようなものです。
例えばイベント作成機能を使えば、「Facebook経由で"参加"ボタンクリックした人に限定未発表音源プレゼント」といった投稿を広告で流してみると、
ライブの動員増なんかに使えそうですね。こういった機能はYou Tubeではできません。


-Twitter
実はTwitterYou TubeFacebookに比べて敷居が高く、私もまだ実験できていません。
つい最近までは大手企業しか使えなかったのですが、最近Yahooと提携して若干敷居は下がったものの、
基本的にはまだ企業が使用する想定になっています。


【出来ること】
・おすすめのアカウントとして表示してフォローを促す

・ツイートを広告としてタイムラインに流す

・トレンドを買う
PCで見たときの左に、トレンドワードがありますが、その一番上は買えます。
しかし、ウン百万の話になるので関係ありませんね(笑)


【費用】
・アカウントのフォローで最低40円、ツイートは10円からという噂です。やはり少し値が張りますね。


【長所】
実際に使っていないので、詳しいコメントは差し控えます。
しかしながら、10代を中心にユーザーに偏りがあり、また近頃あまり勢いのないTwitterではありますが、
こと音楽界隈に関しては依然として人気の高いメディアなので、親和性の高さは大きなメリットでしょう。
いずれにしても、You TubeFacebookを見習ってもう少し間口を広げて欲しいものです。


この記事を呼んで我こそはと思ったレーベル会社の方、私にプロモーションを実施させて下さい(笑)



-最後に
長文になりましたが、それぞれのメディアで長所短所はありますので、「誰に何をして欲しいか」をよく考えて選んでみて欲しいです。
"誰"というのも、漠然とした"20代の男性"とかではなく、
"アメリカに住んでいるオールドスクールハードコアが大好きな大学生。好きなバンドの映像をよくYou Tubeで見ている"
とかくらいまで、具体的なイメージを持って欲しいと思っています。
FOR LIFEの実験ではまさにそんな人が海外にはいるんじゃないかと思い、広告を打った結果、実際に反応がありました。


こういったプロモーションはもはやフライヤーを作って撒くかの如く当たり前の告知ツールになっていくと思いますので、
また自分自身で何か新しいチャレンジを引き続きしていきたいと思います。


それでは。