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bed and board

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評価:★★★★★


東京の四人組ロックバンド。前作から新たなギター&ボーカルのメンバーを加え、トリプルボーカルを擁するスタイルに変え、その結果最高傑作と呼ぶにふさわしいサードアルバム「Triangle to square」をリリースした彼ら。今回はその後一枚のミニアルバムを経て四枚目のフルアルバムをリリースした。前作のミニアルバムは自分たちのスタイルに対する迷いからか正直お世辞にもいいとは言えない中途半端なものだっただけに今回はどっちに転ぶのか心配していましたが、彼らにそんな心配は無用でした。CDを再生した瞬間に流れ出す怒涛のような美しいメロディ。「ああ、ロンスケだなあ」と思った。

1,Melt down-
アルバムの一曲目を飾るナンバー。前作の一曲目に雰囲気は近く、綺麗なメロディと気持ちいい疾走感。
2,Calling-
しっとりした出だしで始まるも、サビでは4つ打ちで乗れる曲調。哀愁がある。
3,Act-
最初の三曲はどれも優劣つけがたいが個人的にはこれが好き。最後に出てくるCメロ的展開に上手いギターフレーズが絡まり哀愁を誘う。
4,a lie-
短いインスト
5,frames laid out-
ミニアルバム一曲目の再録。まあ特にずば抜けた曲ではないですけど綺麗にまとまってますよね。
6,Car chain-
ミディアムテンポの曲。メロが三回登場し、それぞれ半音づつ上がり、ボーカルが全部違うという面白い曲。トリプルボーカルならではですね。
7,hold in your arms-
サビでちょっと変則的なアップテンポになるという曲。この曲がアルバムで凄くいいアクセントになってます。コーラス綺麗。
8,Delete-
しっとりから最後に一気に爆発。これも上手いと感心する展開。
9,Standing in the city lights-
これはポップな感じで序盤は進み、最後はメロコア的になって終わるという曲。アルバムでは一番微妙かも。
10,The day rain changes to rainbow-
セカンドの一曲目の再録。大きな変化はないものの、上手くアレンジしてるんじゃないでしょうか。まあでもこのバンドは新曲を作るのに比べてセルフカバーはそれほど上手くないですね。
11,erasing your memories-
このバンドはいつもドラマティックは曲でアルバムを締めるんですが、これは割りとあっさり。でも聴いてるうちに凄く気に入りました。間違いなく名曲です。歌詞も悲しくていい。「I still dream to be a part of your life,but I'm erasing your memory I wish upon a star forever...」



とにかくこのアルバムは間違いなくバンド史上最高傑作ですし、日本のインディーロックがここまでのレベルに達したことを証明する重要な一枚でもあると思っています。初期は割りとあふれたメロコアに近いロックをやっていた彼らが、自分たちなりのスタイルを捜し求めそれが結実したのがこの一枚です。歌詞にも深みがあっていい。あとバイオリンを入れないアルバムもこれが初めてですが、それも彼らの成長の証かもしれません。少しでも買おうかと思ってる人は絶対買ったほうがいいと思います。